加茂神社由緒・歴史

加茂神社

 

御祭神:玉 命[タマヨリヒメノミコト]

 

御神徳:女性の守護神として縁結び、安産、育児、美顔等。また水を司り豊穣をもたらす。

 

鎮座地長野市大字西長野字加茂裏213番地

 (長野市大字西長野にあり、善光寺の西方、長野県庁北に位置している。

 当社は、善光寺七社(他に、妻科・湯福・木留・柳原・武井・美和各神社)の一つである。


1.加茂神社の縁起について

(1)由緒について

 

加茂神社由緒 

 

御祭神 玉依比売命(タマヨリヒメノミコト)

 当社の縁起は善光寺如来当地に遷座の折り、如来の輿を担ぎし者この地に居住し土地を開墾し、加茂神社の奉斎す。よって輿村(西長野の旧名)を成す説と、天安2年(858)大本願23世宝林上人様が京都より赴任の際守護神である賀茂御祖神社(下鴨神社)の御分霊を当地に祀り、この時に供奉した者が輿村の草分けともいう。

 善光寺7社(外6社:妻科・湯福・木留・柳原・武井・美和神社)であり大本願とは深き縁故がある為、大本願上人様が秋季例祭に参拝される。仏教者が神社の祭日に拝礼することは全国的にも非常に珍しい例である。

 古より疱瘡(天然痘)除け、安産の神として尊敬を受け、松代藩より社領1石の寄進があった。現在の神殿は慶応4年(1868)、本殿覆屋は嘉永7年(1854)、茅葺の拝殿は明治7年(1874)の再建。

 宮司は古くから齋藤家により奉仕され、判明している最古の記録は長禄2年(1458)に齋藤惣太夫盛堯とあり、現宮司はそこから32代を数える。 

 

祭礼日

歳旦祭    1月 1日 1年の御加護と幸せを祈る

春季例祭   4月16日 (宵宮)前夜祭

         17日 (祈年)五穀豊饒と氏子の繁栄を祈る

御射山祭   8月26日 氏子中特に幼児の健康祈願

風鎮祭    8月31日 二百十日頃 風除祭を行う

秋季例祭   9月16日 (宵宮)神楽・神輿・花火・演芸奉納

         17日 (本祭)御加護に感謝 大本願上人様参拝

新穀感謝祭 11月22日 新嘗祭 恵みに感謝し勤労を尊ぶ

 

師走大祓式 12月下旬  1年の罪穢を祓い、新年を迎える

(裏書)

  平成21年12月吉日

   加茂神社祭典委員

 

注)・本文は、加茂神社拝殿右の案内板から引用記載した。[本文中、善光寺7社(外6社・・・)を加筆、本殿上屋(うわや)(おおい)()に、上人を上人様に、現宮司を現、齋藤安彦宮司にそれぞれかえた。]

  ・祭礼のうち御射山祭は、平成29年から風鎮祭と同日開催となっている。


1.    由来その他(西長野百年誌より抜粋記載、一部加筆した)

    (1)  御祭神:「玉依比売命」について

〇御神徳:女性の守護神として縁結び、安産、育児、美顔等。また水を司り豊饒をもたらす。

〇鎮座地:長野県長野市大字西長野字加茂裏213番地

    (2)  社伝記録等往古の火災にて残らず焼失し詳に知り難し。

    (3)  京都賀茂(かも)御祖(みおや)神社(じんじゃ)(下鴨神社)を斎き祭る事により善光寺大本願にても深き縁故あり当社を信仰せられる。

    (4)  往古年月不詳であるが善光寺事務職大本願上人様当地へ赴任の際大神を信仰し祭り始めると(もろ)人申し伝える。

    (5)  創立年月不詳

〇長野市には神社多けれども室町時代以前(約600年前)創立せられたと認められるも

の・・・・(略)・湯福社・武井社・加茂社・・・・等あり。(中略)

〇明治6年(1873)村社に列す。

〇当社の称号は往古より加茂皇太神と称し来り候処明治13年(1880)3月3日本県 

へ出願し加茂神社と改称仕候

〇宗教法人として届昭和28年1月    

2.    神社社殿建立等の主な記録[(2)(4)項の社殿の記述並びに寸法表示(令和2年屋根改修時図面等からのメートル法実測値)は齋藤宮司の指導を受けて記載した。]

    (1)  元禄の地図には加茂社が存在している

    (2)  本殿覆屋(おおいや)[瓦一間社・菊桐紋章付の瓦葺]:[間口3.7m奥行4.6m]

    (3)  本殿 白木方三尺の流造り:[約間口1.1m奥行1.3m]

    (4)  拝殿:かや葺流造唐式破風付:[間口7.2m奥行5.4m]から祝詞(のりと)殿[間口3.6m奥行5.4m]によって本殿に続く。[神殿境内:2,350㎡]

    (5)  玉垣(社殿)・神橋(しんきょう)造営:大正14年9月 

    (6)  社地拡張・玉垣(外垣)造営:昭和10年4月

    (7)  御鳥居造営:昭和24年9月再建(寄進)、昭和44年9月に再建(寄進)この年遷宮祭

    (8)  神庫(じんこ)(お蔵)造営:昭和34年8月10日竣工

    (9)  拝殿屋根改修工事(茅葺から銅板葺へ改修):【令和2年(2020)10月25日竣工式典

  (10)  幟旗(のぼりばた)の新調:平成14年

〇幟旗の字:神者依人之増威 平成十四年九吉日 氏子中(神は人の(うやま)いに依りて威を増し)

人者依神之徳添運 賀茂御祖神社 宮司 新木直人書(人は神の徳に依りて運を添ふ)

   〇幟旗の字の意味:「いかなる神も人間の崇敬を受けてこそ、その御威光を輝かすのであり、御神威を高めるのは、人の敬いの力である。しかし、その人が人としての運、人としての命を与えられるのは、神の徳によってである」[注)前項の□内は幟旗に書かれている文字]

   〇幟旗の文字の由来:御成敗式目[貞永元年(1232)8月制定第1条から引用している]

 

  (11)  神宝:高麗犬 狛犬(こまいぬ):1組[向かって右は吽形(うんぎょう)・左は阿形(あぎょう)]乾漆造り(長野地方には乾漆造りの狛犬は珍しい一品である。)