加茂神楽ばやし保存会の33年を振り返って

 

加茂神社神楽ばやし保存会

 

 加茂神社の神楽は明治17年に発足したが、5、6年で絶えてしまったようです。そこで昭和62年春頃に当時の有志が発起人となり、なんとか地元の人達で神楽をと話しがもち上がり、昭和62年10月15日に20数名が集まり発足しました。

 早速、獅子舞を習得しなければなりません。富竹流の富建千引神社神楽保存会の皆さまにお願いしたところ、快く引き受けていただき、約4か月の間稽古に通いました。一方、獅子頭、神楽(リヤカー)、太鼓など用具一式は、当時の区長である松橋浩治郎氏、木藤袈裟三氏、会員である荒井澄男会長、坂口博俊氏、久保田登氏、佐藤慶一郎氏、松本高雄氏よりご寄付いただきました。様々な方々のご支援と練習の甲斐あって、翌年の昭和63年3月21日に加茂神社拝殿にてお披露目するに至りました。当時の信濃毎日新聞に、100年振りの復活といった大見出しで紙面を賑わしました。特にお披露目の日程が決まってからは、なんとしても自分たちでやるぞ、といった意気込みから毎晩遅くまで町中に笛の音が響き渡っていたということです。そして、昭和63年4月16日加茂神社宵祭りには、富竹流の兄弟子である立町の皆さまにお手伝いいただき神楽巡行と奉納舞を無事終えることができました。こうして加茂神社の地元による神楽ばやしは産声をあげたわけです。

 その後は、富竹流獅子舞の形を崩さず少しでも上達できるよう、定期的に練習を重ねてきました。また、お祭り以外の発表の場として、イベントや結婚式の披露宴に呼ばれ良い練習の場となりました。JR東日本からは車両センターふれあい祭り、長野駅鉄道フェスタや新幹線10周年、長野駅開業120周年、小海線開業88周年などのイベントに多数出演させていただきました。また、他の町のお祭りなどでお声がけいただきました。町名・地区名・神社名をあげてみますと、青木島、芋井素桜神社、栗田、栄町、立町、西三才、西之門、東鶴賀、緑町、湯福神社、湯谷などへそれぞれお世話になりました。現在も継続している所もあります。

 平成5年には、研修旅行と称して会員相互の結束を更に深めるため、大阪・神戸・姫路方面へ1泊2日の親睦旅行に出かけました。その後の平成29年には、結成30周年を記念して富山方面へ日帰り旅行を通じて親睦を深めました。再来年の令和4年には結成35年という節目を迎えます。我が加茂神社と同じく玉依姫が祀られている京都下鴨神社への研修旅行を計画しており、会員一同今から楽しみにしております。

 平成27年には、宝くじ事業を財源とした、「コミュニティ助成事業」に、西長野町区長を通じて申請していたものが交付され、250万円の財源を得て獅子・太鼓をはじめ西長野町公民館の机・椅子を購入整備しました。これにより用具類が充実し一層練習に力が入りました。その他では、長野市主催の「ながの獅子舞フェスティバル」へ2年前から参加しております。合わせて女性会員による獅子舞の練習を昨年から重ね、今年の獅子舞フェスティバルに初披露することが出来ました。

 現在のコロナ禍の中、春秋とも宵祭りの神楽巡行は中止となりましたが、笛と太鼓と鐘の音を町中に響かせてみたいものです。現在の会員は15名程の老若男女で、半分以上は他町在住者で構成されておりますが、加茂神社のご縁により強く結びついている仲間であると感じております。そして何といっても神楽が大好きなメンバーです。(少しでも興味のある方、会員大募集中です !!)

 最後に、進むべき方向として富竹流獅子舞の形を守りつつ、加茂らしさを出していければと思います。そして、将来にわたり絶やすことのないよう中堅層会員の拡大と、若い後継者(子供神楽)の育成にも取組んでいきたいと思います。まだまだ未熟ではありますが、伝統と由緒ある加茂神社の神楽ばやし保存会として一層精進して参る所存であります。